地中線・回転機総合絶縁診断装置はどのように選べばいいでしょうか。
以下に説明いたします。

総合絶縁診断装置の適用

合理的な絶縁診断を行うために,系統電圧あるいは使用目的に合った適切な総合絶縁診断装置の選定が必要です。系統電圧に対応した各種総合絶縁診断装置を表1に示します。

表1 系統電圧に対応した各種総合絶縁診断装置の選定表

操作方法形名供試体種類地中線回転機
系統電圧3300V6600V22kV33kV66kV77kV3300V6600V11kV13.8kV18kV
手動M022
M023
M020
N033
N200
M060
M077
回転機絶縁診断装置
自動M050
M150

地中線総合絶縁診断装置

地中線総合絶縁診断装置(車)は絶縁診断装置の他,事故点測定装置を含めてシステム化されることが一般的です。表2,3に絶縁診断および事故点測定装置の仕様決定要素を示します。

表2 地中線絶縁診断の仕様決定要素

絶縁診断・一般事項の仕様項目決定項目
(1) 対象ケーブル系統電圧・線路亘長 kV,m,μF/相
(2) 直流耐電圧試験/電圧発生方式kV,mA/商用周波方式,高周波方式
(3) 直流漏れ電流試験/電圧発生方式kV,mA/商用周波方式,高周波方式
(4) 放電装置の放電容量J/相,J/3相
(5) 直流漏れ電流試験kV,mA
(6) 準三角超低周波数による部分放電試験±kV,10~60s
(7) 充放電法による部分放電試験0~kV,10~60s
(8) 部分放電の発生位置標定kV,mA
(9) 誘電正接AC kV,Hz,kV
最小μF~最大μF
(10) 交流電流
(11) 補償リアクトルkVA
(12) 自動測定の要否要(ソフトウェアの詳細打合わせ要),否
(13) 受電電圧・容量ACV,kVA,1φ,Hz
(14) 測定ケーブル長さm
(15) 付属装置関係インタロック,インタホン,他
(16) 車両関係車両の種類積載能力:2t,3t,4t/形状:マイクロバス,アルミバン,他
車内のスペース
冷暖房設備
(17) 発電器の搭載の要否V,kVA

表3 地中線事故点測定の仕様決定要素

事故点測定装置決定項目
(1) 高圧ブリッジ10kV,50mA
(2) 放電検出形パルスレーダ波形観測式DC kV,mA,Imp kV
ディジタル式DC kV,mA
遅延式DC kV,mA
(3) 低圧パルスレーダDC0~100V(充電電圧)
(4) 事故点焼成DCkV,mA

回転機総合絶縁診断装置

回転機総合絶縁診断装置(車)は3kV~18kVの回転機巻線の絶縁診断に用いるものです。手動操作形またはパーソナルコンピュータを搭載した自動形が構成できます。自動形の場合,必要な試験データ処理・制御装置のディスプレイとキーボードでの対話式操作により簡単に実施できるよう構成されています。表4に回転機巻線の絶縁診断装置の仕様決定要素を示します。

表4 回転機巻線絶縁診断の仕様決定要素

仕様項目決定項目
(1) 対象回転機電圧階級・静電容量kV,μF/相(最大),μF/相(最小)
(2) 直流耐電圧試験/充放電装置DC kV,最小μA,最大mA/要,否
(3) 絶縁抵抗試験kV,mA/商用周波方式,高周波方式
(4) tanδ試験AC kV,Hz
(5) 静電容量試験AC kV,Hz
(6) 交流電流試験AC kV,Hz
(7) 部分放電試験AC kV,Hz
(8) コロナフリー試験用電源装置AC kV,kVA,Hz,1φ
(9) 補償リアクトルkVA(試験用変圧器1次側補償)
(10) 自動測定の要否要(ソフトウェアの詳細打合わせ要),否
(11) 受電電圧・容量ACV,kVA,1φ,Hz
(12) 測定ケーブル長さm
(13) 高圧ケーブルの切換方法高圧端子台,自動切換
(14) 付属装置関係インタロック,インタホン,他
(15) 車両関係車両の種類積載能力:2t,3t,4t/形状:マイクロバス,アルミバン,他
車内のスペース
冷暖房設備
部分放電測定装置について

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