RFIDシステムと当社製品の役割
UHF帯RFIDシステムは、対象物に取り付けられた「RFIDタグ(ICチップ)」の情報を無線通信によって取得することでリアルタイムに個体識別が出来るため、製造現場や物流現場などの物品管理分野で幅広く利用されています。使用する無線通信周波数帯はUHF帯域の920MHz帯(915-930MHz : 帯域幅15MHz)で、当社では本RFIDシステム向けの「ケーブル型アンテナ」と「機器接続用同軸(アプローチ)ケーブル」を取り扱っています。

UHF帯RFIDシステムは、対象物に取り付けられた「RFIDタグ(ICチップ)」の情報を無線通信によって取得することでリアルタイムに個体識別が出来るため、製造現場や物流現場などの物品管理分野で幅広く利用されています。使用する無線通信周波数帯はUHF帯域の920MHz帯(915-930MHz : 帯域幅15MHz)で、当社では本RFIDシステム向けの「ケーブル型アンテナ」と「機器接続用同軸(アプローチ)ケーブル」を取り扱っています。
RFIDタグの読み取りは、以下の3つの工程が同時かつ瞬時に実行されます。電池(電源)不要のパッシブタグが利用可能なため、フェリカやNFCに比べて遠距離かつ多数のRFIDタグの同時読取りが出来ます。
ケーブル型アンテナの利用に適したRFIDシステム例を3つご紹介します。
各工具に取り付けた金属製品対応RFIDタグを管理マット内のケーブル型アンテナで読み取ります。アンテナ設置スペースが小さく抑えられます。
CXPAシリーズ 壁掛け工具管理事例
各ハンガーに取り付けたRFIDタグをケーブル型アンテナで読み取ることで、衣料品レンタルや販売在庫の管理などに利用可能です。また衣料品のアンテナ近接部位にRFIDタグを直接取付けることが可能な場合は、ハンガーではなく衣料品からの直接の情報読取りも可能となります。
電波を通す材質で出来た棚の内部にケーブル型アンテナを設置し、棚上の物品に取り付けた見出し状のRFIDタグを読取ることで物品情報の遠隔管理が出来ます。厳格な管理が求められる高付加価値品の遠隔在庫管理や自動補充システムとの融合なども可能です。
当社のUHF帯920MHzRFIDシステム向けケーブル型アンテナは、読取りに適したRFIDの向きとケーブル長によって3つの種類に分かれています。通信可能距離の目安はいずれも約1m離隔ですが、リーダライタの出力やタグの感度や周囲の環境等によって変動します。
※図と写真は「CXPA1.5D-9i」
注1)CXPA1.5D-9iは、 CXPA1.5D-9と比べて金属近接時の影響を受けにくい製品です。
注2)先端部および突起部を除くケーブル部の許容曲げ半径です。
注3)先端部のみの偏波方向です。
ZLCX5Dは「漏えい同軸ケーブル」ですので、隣接する複数のスロットが相互に作用する送受信アンテナとして機能します。いわゆるスロットアレイアンテナに近い構造の製品です。電波放射の強さは、コネクタ側から先端部に向かって徐々に減衰します。
ケーブルから放射される電波は920MHzに相当する波長の1/2周期(約16cm周期)
で強弱を繰り返します。ケーブル周囲の影響を受けて強弱の周期は短縮される場合があります。
金属性質材料との近接により性能低下が起こりますので、可能であれば3cm以上離隔を空けて配線してください。
複数のRFIDタグを同時に読み込む場合、タグ内のICチップが消費するエネルギーやタグ同士が近接することで発生する電波干渉により、読取り可能なタグの数が変動します。
また、RFIDタグの取り付け状況(偏波方向やアンテナとの距離等)や、読取り対象物性(誘電率や導電率等)の他、周囲の環境等によっても読取り数が変動しますので、状況に応じた個別の対策についてのご相談にも応じます。
電波の回り込みが生じることで、意図しないRFIDタグを読取る場合があります。UHF帯の電波はプラチナバンドとも呼ばれ、電波の回折特性が良い周波数帯です。電波障害物の裏側に回り込みやすく、棚ごとの情報の正確な読み取りは、制御ソフトでの情報処理や電波遮へい物の設置等の個別対応が必要です。
RFIDシステムの使用に際しては、以下のご確認をお願いします。
①RFIDシステム構築にあたって、無線局申請が必要か否か。
②利用する機器とアンテナの組み合わせが、技適取得済みか否か。
①:RFIDシステムに係る無線局申請は、機器の最大出力、特定構内運用か否か、LBT機能の有無によって以下のような分類がなされています。
・最大出力250mW以下 → 特定小電力無線局のため申請不要
・最大出力250mW以上1W以下 → 無線局として申請必要
申請必要な場合、陸上移動局とするか構内無線局なのか、また機器のLBT機能の有無の組み合わせによって、登録申請と免許申請に分かれます。
陸上移動局 | 構内無線局 | |
---|---|---|
LBT機能ある場合 | 登録申請 | 登録申請 |
LBT機能ない場合 | 免許申請 | 免許申請 |
※特定小電力無線局
総務省が定めた一定条件を満たす無線設備を利用することで、無線従事者資格や無線局免許を要しない無線局。
※陸上移動局
国内全ての陸上で使用可能。移動中や車両で走行中も使用可能。上空や海上での使用は不可。
※構内無線局
ひとつの構内(申請した住所の敷地内・建物内)で使用可能。構内以外や上空や海上での使用は不可。
※LBT
Listen Before Talkの略でキャリアセンスとも呼ばれる。使用周波数帯を他の無線が使っていないか確かめてから電波を出す方式。混信回避機能の一種。
※技適
工事設計認証、または技術基準適合証明の略。工事設計認証は型式認定の一種で技術基準適合証明は個体認定の一種。技適は機器が使用するアンテナを含めた形で取得する。
※参考情報:
総務省ホームページ【RFID(電波による個体識別)の申請】
②:技適取得済みの組み合わせについては、以下をご覧ください。
ケーブル型アンテナ技適取得済みのRFIDリーダーライター 一覧資料