■短絡容量

線路の故障による短絡電流の通電時間はきわめて短く、系統が遮断されるまでの間であるため、通常2秒以内と考えられ、この間に導体に発生する熱量はすべて導体自身の温度上昇のみに消費されるものとすれば、電線・ケーブルの短絡時許容電流は近似的に次の式で与えられます。

I = Qc Ac α r1 ts loge 1α -20+T5 1α -20+T4

ここに

  • Qc:
    導体の単位体積当たりの熱容量(J/cm3・℃)
    銅の場合:3.4
    アルミの場合:2.5
  • Ac:
    導体の断面積(cm2
  • α:
    20℃における導体抵抗の温度係数(1/℃)
    銅の場合:0.00393
    アルミの場合:0.00403
  • r1
    20℃における交流導体抵抗(Ω/cm)
  • T4
    短絡前の導体温度(℃)
  • Ts
    短絡時の最高許容温度(℃)
  • ts
    短絡電流の持続時間(秒)

●定数

短絡前の導体温度T4及び短絡時の最高許容温度T5を表に示します。

●各種電線・ケーブルの短絡容量

各種電線・ケーブルの短絡時許容電流を概略チェックする際に表をご利用ください。

絶縁体 T4(℃) T5(℃) 短絡容量(A) 対象ケーブル例
銅導体 アルミ導体
架橋ポリエチレン 90 230 134 Ac ts 90 Ac ts 6600V CV
6600V NH-FP
エチレンプロピレンゴム 80 230 140 Ac ts 94 Ac ts PNCT
ポリエチレン 75 140 98 Ac ts 66 Ac ts 600V EM-FP
ビニル 60 120 97 Ac ts 64 Ac ts VV

(注)ただし Ac:導体の断面積(mm2)
       ts:短絡電流の持続時間(秒)

●6600V CV の短絡容量計算例(表による概算値)

表による6600V CV(銅導体)の短絡容量の計算例を以下に示します。6600V CV 3C × 60mm2において短絡持続時間を0.3秒とすると、

I = 134 Ac ts より I = 134 × 60 0.3 14,000 (A)

なお、短絡容量はケーブルの種類だけで決まり、ケーブルの定格電圧や線心数には関係なく計算されます。