■電線・ケーブルの取扱い方

ゴム、プラスチック電線の誤った取り扱い、または工事の不備による事故を防止するため、各メーカより出しています工事方法の説明書の内容を充分理解していただくと同時に次にあげる事項を特にご注意下さるようお願いいたします。

1. タバ・ドラムの取扱い

  • (1) タバは、屋内で平らな場所に保管し、なるべくころがさないで持ち上げて運搬してください。
  • (2) ドラムは、平積にすると巻きくずれが発生し、引出しが不可能になるため平積しないでください。
  • (3) ドラムの転がしはしないで下さい。止むを得ず行なわなければならない場合には、ドラムの転がし方向(電線が弛まない方向)を遵守下さい。逆方向に回わすとケーブルの巻きがゆるんで引出しが大変です。
  • (4) タバ・ドラムの積下しは、絶対に落下を避けてください。電線・ケーブルに過激な衝撃を与えると、著しく性能低下を起すことがあります。とくに、寒冷地でビニル電線を取扱うときは、もろく割れやすくなっていますので注意して下さい。

2. 延線工事時の注意

  • (1) 延線に際しては小石、突起、コンクリート枠板その他の障害物は完全に取り除いて下さい。また工事現場では異物落下衝撃、足場板、荷造木枠の釘による外傷などが発生しやすいため十分注意して下さい。
  • (2) ドラム巻きした電線を延線する場合、その繰り出し張力により電線の長さ方向に生じる張りや緩みの変化により、巻始め口付近にて電線の飛び出しあるいは、電線の座屈が生じる現象があります。電線の座屈を抑制するため、ドラム巻き始め電線の端末を外して、巻き始め口からの電線の飛び出しに注意しながら、作業を行って下さい。長尺、細物の場合は特にご注意下さい。
  • (3) 延線時には、コロなどを使用し電線に無理な張力を加えないようにして下さい。延線工事の際の許容張力はおよそ下表1のとおりです。
  • (4) ゴム、プラスチック電線は、紙、鉛被ケーブルなどに比べればある程度の屈曲性はありますが、極度に屈曲しますと電気的性能を低下させます。布設に際しましては下表2の値以下には屈曲しないよう注意して下さい。
  • (5) ケーブルのルートでわん曲部がある場合、延線時にケーブルをわん曲部に押え付ける力が働きます。この力を側圧といい、側圧が大きいとケーブル性能を低下させますので下記の値以下で延線して下さい。
    • ● 丸形ケーブル:300kg/m
    • ● トリプレックス形ケーブル:250kg/m
    • ● 通信ケーブル:基本的には0kgである(設計者と条件要確認)
       (参考)ケーブル側圧(P)はP(kg/m)
      =(張力(kg))/(曲げ半径(m))で求める。
  • (6) 黒以外のポリエチレン絶縁体は直接日光などにさらされると数カ月程度でき裂(紫外線劣化)を生ずることがありますので、低圧ケーブル絶縁体にも必ず所定の保護用テープを巻くようにして下さい。
  • (7) ケーブルの導体中に水分が浸水すると、ケーブルの寿命を著しく損ないます。とくに地下管路、ダクトなど水のあるところへ引き込むときには、端末部のシールを完全に行って下さい。またケーブルを切断し、そのまま放置する場合は、直ちに自己融着テープなどで切口を完全に防水処理して下さい。
  • (8) 単心ケーブル一条を鉄筋入りヒューム管内布設やスチールバンド止めなどをすると、鉄の温度上昇が起りケーブルを劣化させますので避けてください。

3. 許容張力

延線用具 導体種類 許容張力算出式 単位
プーリングアイ 68.6(MPa) × ケーブル線心数(注1) × 導体断面積(mm2)以下 N
7(kgf/mm2) × ケーブル線心数(注1) × 導体断面積(mm2) 以下 kg
アルミ 39.2(MPa)× ケーブル線心数(注1) × 導体断面積(mm2)以下 N
4(kgf/mm2)× ケーブル線心数(注1) × 導体断面積(mm2)以下 kg
ワイヤーネット (注2)(注3)
(ケーブルグリップ)
銅・アルミ 10(MPa)× シース断面積(注4)(mm2)以下 N
1.02(kgf/mm2)× シース断面積(注4)(mm2)以下 kg

注1:管路布設等で単心ケーブルを1孔に3条引入れする場合は、ケーブル線心数を2心として計算してください。
注2:ワイヤーネットを用いて延線する場合は、ケーブルにワイヤーネットを500mm以上かぶせ、ワイヤネットの先端はバインドし、シースに均一に力がかかるように注意してください。
注3:ビニルおよびポリエチレンシースの場合であり、導体の許容張力を超えないように注意して下さい。
注4:*計算式 S=πt(D−t)
   ここでS:シース断面積(mm2)
      t:シース厚さ(mm)
      D:仕上り外径(mm) ※トリプレックス形の場合は、1線心分の外径を使用する

4. ゴム・プラスチックケーブルの許容曲げ半径

ケーブルの種類 単心 多心 備考
非分割導体 分割導体
遮へいなし 8D 12D 6D  
遮へいあり 10D 12D 8D 含鋼帯がい装ケーブル
トリプレックス 6D
(8D)
( )内は高圧ケーブル
波付鋼管がい装 8D  
鉛被・鉄線がい装 10D 12D 10D  
平滑アルミ 20D 20D 20D  
波付アルミ 15D 15D 15D  
*移動用 6D 4D 遮へいなし
低圧キャブタイヤケーブル

D:ケーブル外径(mm)、ただしトリプレックスケーブルは外接円の直径(mm)
*リール巻取式・カーテン式仕様などの常に一定の場所でくりかえし曲げられるものは、この数値を適用できません。
注:EM-LMCFの許容曲げ半径は4D(D:電線外径)です。

5. 通信用ケーブルの許容曲げ半径

ケーブルの分類 接続及び支持する場合の曲げ半径 布設中の曲げ半径
PE(PVC)シースケーブル
(遮へいなし)
4D 10D
編組遮へいケーブル 4D 10D
ラミネートシースケーブル 6D 15D
鉛被ケーブル 6D 15D
コルゲートシースケーブル 6D 15D
アルミシースケーブル 8D 20D
鋼帯がい装ケーブル 8D 20D

注:一般的に遮へいテープは、たて添えより横巻にする方が許容屈曲半径を若干小さくでき、また、波付(コルゲート)とフラットを比較すれば波付の方が若干小さくできる。

6. 同軸ケーブルの許容曲げ半径

ケーブルの分類 接続及び支持する場合の曲げ半径 布設中の曲げ半径
外部導体が編組のもの
(例:D形、C形、RG)
4D 10D
外部導体が編組+金属箔貼付プラスチックテープのもの (例:FB、FB-LITE、SFA-LITE、HQ・SUPER) 6D 15D