フジクラ・ダイヤケーブルは2019年8月、東京・丸の内にオフィスを移転しました。
約1年かけてコンセプトやデザインを練り上げた大がかりなプロジェクト。
そこには、オフィス移転を機に新たな文化を育もうという強い決意と未来への希望が込められています。
移転が実現するまでの経緯とともに、生まれ変わった新オフィスの全容をご紹介します。
東京・築地から丸の内へ。
オフィス移転を決めた理由は?
オフィスの中身をご紹介する前に、まずはフジクラ・ダイヤケーブルの歴史や移転までの経緯を振り返ります。
フジクラ・ダイヤケーブルは、2005年にフジクラ、三菱電線工業などの販売会社として設立し、2016年に製造事業を統合して製造販売会社となりました。
東京・築地にあった以前のオフィスは、事業拡大とともに1フロアから3フロアに増床。一方で、社員同士のコミュニケーションに少しずつ壁を感じるようになってしまったんです。
それを広々をした1フロアにすることで、社員や部門間のコミュニケーションを活性化させたい。そう思ったのが、最初のきっかけ。
そんなときに、東京・丸の内に理想的な物件が空いたとの情報が!
「激戦区の丸の内で、これだけの好条件はなかなか出てこない」「これは何かの縁だ」と、すぐに手を挙げました。
若手・中堅のプロジェクトチーム結成。
1年かけて練り上げたコンセプトは…
移転に向けて、私たちがこだわったのは「プロセス」です。
こうしたオフィスデザインの設計は経営幹部たちのトップダウンで進められることが多いそうですが、それと同時に私たちは、社員たちのアイデアや声を盛り込む「ボトムアップ」にもこだわりました。
移転する約1年前の2018年10月、若手や中堅の社員10名によるプロジェクトチームが発足。
その名は、「RISE(ライズ)プロジェクト」。
「上昇」を意味するこの名称には、本社移転を機に新しい文化をつくっていこう、前例にとらわれず果敢にチャレンジしていこう。そんな思いが込められています。
各部門、男女、総合職・一般職を織り交ぜた多彩なメンバーが終結。
設計業者とともに新オフィスで叶えたいことやコンセプトを時間をかけて練り上げ、具体的なデザインに落とし込んでいきました。
そうしてできたのが、現在のオフィスです。そう、このオフィスは働く社員の熱い思いが詰まった場所でもあるんです。
エントランスに広がる近代的なデジタル空間。
カフェエリアは交流生まれる拠点に
では、ここから実際にオフィスの全容をご紹介していきましょう!
まずは、エントランスです。
全面ガラス張りの自動ドアを抜けると、受付にはi-Pad無人受付システム、その隣には横長のデジタルサイネージが目に飛び込んできます。
そこにはフジクラ・ダイヤケーブルの社史や製品の紹介とともに、工場などで働く社員の姿も。社員の「顔」が見える演出で、「人」を大事にする会社の思いをお伝えしたかったんです。
さらに、その一角にはもう1つユニークな仕掛けが!
それは、タッチパネル式の巨大なテーブル状のディスプレイです。
画面上にビルや工場、競技場などのイラストを投影させ、指で触れると当社製品がどこでどのように使われているのかが、ポップアップで表示されるようになっています。
電線はいろんな場所に張り巡らされている、私たちに欠かせない社会インフラ。ただ、残念ながら一般の方々が目にする機会はそう多くありません。
実は有名なビルや競技場、橋や新幹線などに使われていること。そして、私たちの生活に役立っていること。
それを、ここを訪れる多くの関係者に改めて知っていただきたい。働く社員にも、自社の製品に誇りを持ってほしい。そんな思いで取り入れたアイデアです。
そんなエントランスの先に広がるのは、「RISE Cafe」と名付けたカフェエリアです。
広々とした空間に、木目調のポップなデザインの机や椅子があちこちに並べられ、心地のいい音楽も流れています。
ここでは社員が談笑したり休憩したり、あるいは勉強会やお客様との簡単な打ち合わせをしたり。
飲料の自動販売機、さらに人気家電機器「BALMUDA」(バルミューダ)のオーブンレンジも!ちょっぴり贅沢なランチも楽しめちゃいます。
大きなソファーやクッションもあり、仕事に行き詰まったときの気分転換にもピッタリな空間です。
ここで開催されたオフィスのお披露目パーティーには約160人が参加。大きなプロジェクターがあるので、例えば映画鑑賞会などいろんなイベントに使うこともできます。
カフェエリアは社員交流の中心地、様々なコラボレーションが生まれる多目的スペースなんです。
コミュニケーション重視のランダム型レイアウト。
畳、防音機能…自分らしい働き方を
さて、次にいよいよ社員たちが働くデスクエリアに入っていきましょう!
まず注目していただきたいのは、デスクのレイアウトです。
よくある長い島型ではなく、4人のブロックを交互に向きを変えてランダムに配置しています。これもコミュニケーションを生まれやすくするためです。
そして、ところどころにミーティングスペースも設置。
デスクや椅子のバリエーションも豊富に取り揃え、中にはソファータイプの1on1用の小さなスペースも。ちょっとした打ち合わせも気軽にできるようになりました。
また、壁面には社内SNSの大型モニターを設置し、社員が投稿する社内勉強会やイベントなどの様子を映し出せるように。ご覧いただければ、きっと和気あいあいとした会社の雰囲気が伝わるはずです。
さらにもう1つ、社員に人気のコーナーがあるんです!
それが、多目的スペース「Chaノma(チャノマ)」。
ここには畳のスペースもあり、都心のど真ん中で「和」の気分を味わいながらのランチも可能!ほかにも防音機能を施した席を用意するなど、リフレッシュだけでなく集中ワークにもピッタリです。
さて、私たちにとって、お客様との打ち合わせもとても大事な時間。だから会議室にも、いろんなこだわりを詰め込みました。その1つが、会議室の名称です。
よくある「第2会議室」とかではなく、工場のある各拠点の地名をもじるなど、ひとひねり加えているんです。
例えば、熊谷工場の”熊”を表した「Bear」、鈴鹿工場の”鈴”で「Ring」、さらにお城を意味する「Castle」は新城工場からとったもの。三菱電線工業の創業者・恩田吾郎氏からネーミングした「Goro」という会議室もあります。
おかげさまで、社員同士で集まるときも楽しい気分になれるし、お客様からも「どうしてこの名前なんですか?」とよく聞かれるので、ちょっとしたアイスブレークにもなっています。
新しいアイデアを実現できる場所。新オフィスで共に働く未来の社員たちへ
「きれいなオフィスでうれしい」
「風通しがよくなった」
「社員同士の距離が縮まり、顔が見える関係になった」
「一体感を持てるようになった」
オフィス移転後、社員からはこんな歓迎の声がたくさん寄せられています。
約100年の長い歴史を誇る電線業界。
どこか古臭いイメージを持たれる方もいらっしゃると思いますが、来社されるお客様からは「これが電線メーカーのオフィス!?」とよく驚かれます。
社員、お客様から好評で、実は採用面接の応募者数も増えているんです。
各部門や社員のコミュニケーションが明らかに活性化していて、社内の雰囲気はガラッと変わりました。
そして、こうした日頃のコミュニケーションの中から、きっと新しいアイデアが次々と生まれてくるはず。私たちは、そう信じています。
そして、決してこれで終わりではありません。私たちフジクラ・ダイヤケーブルは、まだまだ進化していきます!
オフィス移転に際して立ち上げた「RISEプロジェクト」は現在、メンバーを入れ代え、「働き方改革」などをテーマに新たなプロジェクトが進行しています。
「新しいアイデアを実現できる」
プロジェクトメンバーをはじめ、年齢や立場に関係なく、多くの社員が今、こんな手応えを強く感じるようになっています。フジクラ・ダイヤケーブルは若い世代のアイデアもどんどん取り入れながら、これから新しい歴史を刻んでいきます。