ゴム、プラスチック電線の誤った取り扱い、または工事の不備による事故を防止するため、各メーカより出しています工事方法の説明書の内容を充分理解していただくと同時に次にあげる事項を特にご注意下さるようお願いいたします。
延線用具 | 導体種類 | 許容張力 |
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プーリングアイ | 銅 | 68.6MPa(7kg f /mm2)×(ケーブル線心数)×(導体断面積mm2)以下 |
アルミ | 39.2MPa(4kg f /mm2)×(ケーブル線心数)×(導体断面積mm2)以下 | |
ワイヤーネット (ケーブルグリップ) |
銅・アルミ | ビニルおよびポリエチレンシースの場合 10MPa(1.02kg f /mm2)×(シース断面積*mm2) ただし、導体の許容張力を超えないこと |
ケーブルの種類 | 単心 | 多心 | 備考 | |
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非分割導体 | 分割導体 | |||
遮へいなし | 8D | 12D | 6D | |
遮へいあり | 10D | 12D | 8D | 含鋼帯がい装ケーブル |
トリプレックス | − | − | 6D (8D) |
( )内は高圧ケーブル |
波付鋼管がい装 | − | − | 8D | |
鉛被・鉄線がい装 | 10D | 12D | 10D | |
平滑アルミ | 20D | 20D | 20D | |
波付アルミ | 15D | 15D | 15D | |
*移動用 | 6D | − | 4D | 遮へいなし 低圧キャブタイヤケーブル |
ケーブルの分類 | 接続及び支持する場合の曲げ半径 | 布設中の曲げ半径 |
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PE(PVC)シースケーブル (遮へいなし) |
4D以上 | 10D以上 |
編組遮へいケーブル | 4D 〃 | 10D 〃 |
ラミネートシースケーブル | 6D 〃 | 15D 〃 |
鉛被ケーブル | 6D 〃 | 15D 〃 |
コルゲートシースケーブル | 6D 〃 | 15D 〃 |
アルミシースケーブル | 8D 〃 | 20D 〃 |
鉄線がい装ケーブル | 8D 〃 | 20D 〃 |
鋼帯がい装ケーブル | 8D 〃 | 20D 〃 |
ケーブルの分類 | 接続及び支持する場合の曲げ半径 | 布設中の曲げ半径 |
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外部導体が編組のもの | 4D以上 | 10D以上 |
外部導体が編組+金属箔貼付プラスチックテープのもの (例:FB、FB-LITE、SFA-LITE、HQ・SUPER) | 6D 〃 | 15D 〃 |
電線・ケーブルは電力や信号を伝送することが役目で、いろいろな用途と場所に使用されております。それぞれの特徴を活かして、最も適当な電線・ケーブルを最も適切な方法で使用していただくためにつぎの点を検討されることをおすすめします。
使用温度が常温か、低温か、高温かによって耐寒性、耐熱性の程度を考慮する。
耐薬品性、耐油性、耐水性、耐圧性、耐ガス性、耐炎性、耐爆性の程度を考慮する。
機器内配線、機器口出し、屋内配線、架空線、直埋、吊り下げ配線など配線(布設)方式の適否を検討する。
固定使用か移動または屈曲、捻回して使用するか、移動、屈曲、捻回の程度、頻度、期間などについて適否を検討する。
振動、衝撃、伸縮、圧縮、張力等の外力の程度、頻度、期間について検討する。
運搬、足場、電源、火気、工具、工期、工程、などの状況、作業者の熟練度、接続、端末処理の有無および難易について電線の取り扱い性を検討する。
回路電圧、電圧の変動、異常電圧、交直の別等を考慮して電線の定格電圧(公称電圧)を定める。
平常電流、事故電流、負荷率、過負荷の程度、許容電圧降下と使用条件等と許容電流とから導体サイズを定める。この場合単心ケーブルを多条使用するか他心ケーブルを使用するか併せて検討する。
許容電流、誘導、電線の太さ、端子板、接続の有無、コネクタ等を考慮して線心数を定める。
回路、回線方式の必要性より絶縁抵抗、高周波特性、伝送特性の程度を定め、絶縁材料、電線の構造を選ぶ。
しゃへい(静電、電磁)方式は要求度、接地系の程度より定め最適なしゃへい構造(テープしゃへい、編組しゃへい、アルミ被など)を選ぶ。
法規上の制限について検討する。
使用環境温度 |
−15℃〜60℃ 一般PVCシース −15℃〜75℃ 耐熱PVCシース −30℃〜60℃ 耐寒PVCシース −50℃〜75℃ PEシース |
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薬品に接触する場合 | メタシールケーブル、MAZEケーブル |
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誘導障害対策 |
静電誘導: 銅テープ、アルミマイラーテープ、アルミテープ、銅編組 電磁誘導: 銅鉄テープ、鋼管外装、鋼帯+アルミ被対より型 |
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ケーブルの難燃性は、①垂直トレイ試験対応の高難燃グレード、②傾斜試験対応の難燃グレード、③難燃性能を有しないものの3つに分けられます。これらの概略チェックする際に下表をご利用ください。
難燃性種別 | |||
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①高難燃 | ②難燃 | ③難燃無し | |
該当ケーブル例 |
・難燃PVCシースケーブル(F-CV等) ・難燃ノンハロゲンシースケーブル/ノンハロゲン耐燃性PEシースケーブル(NH-CE等) ・高難燃ノンハロゲン 耐火ケーブル(NH-FP) ・高難燃ノンハロゲン 耐熱ケーブル(NH-HP) |
・一般PVCシースケーブル (CV等) ・耐燃性PEシースケーブル (タイネンCE等) ・エコケーブル (EM CE/F等) ・耐火ケーブル (EM-FP) ・耐熱ケーブル (HP)(EM-HP) ・通信ケーブル (FCPEV) |
・一般PEシースケーブル (CE等) |
要求特性例 | 垂直トレイ燃焼試験 | 傾斜試験 | ― |
規格例 | JIS C 3521-1986 (IEEE Std. 383-1974) |
JIS C 3005-2000 | ― |
難燃性順位 | ① > ② > ③ |